2008年5月5日月曜日

映画『相棒』を観て。

(注)微妙にネタバレです。犯人が誰かとかは書いてないですけど。気になる方はご注意ください。




いや~なんといっても、この事件を取り上げたという一点が、なにより素晴らしいです。


この映画の犯人の動機となった、事件の、元ネタとなった事件のことです。


私は、本当~~に、あの事件は、悲しかったのです。


いや、事件がというのではなく、事件後の、政治家、マスコミ、大衆の反応が、です。


人ってこんなに残酷なんだ、というのが、改めて知らされた、事件でした。



けど、それは、何も、変わって行きはしないのでしょう、おそらく。


時折、それを嘆く人が現れるだけのことです。


でも、いいんですよ。


それを、少なくとも、あの映画をつくった人の中の、


少なくとも、一人ぐらいは(悲観的過ぎますかね?)、理解してくれている。



映画を観て、気づく人がいれば、うれしいですが、


本当に、それが、その人のこれからの人生の上で、反映されていくかどうかは、また別の問題です。







もう、題材だけでも100点を差し上げたい作品ですが、

その上、脚本、演出、どんでん返しの作り、映像、どれをとっても、気合たっぷりの、素晴らしい作品でした。


TVシリーズを観てなくても、じゅうぶん、面白い、しかも、TVを観てキャラクターに慣れ親しんでる人には、なお面白い、


というあたりのバランスも、見事でした。







ちなみに、同じ事件を題材とした映画に、『バッシング』というのがあります。
http://www.bashing.jp/


こちらの作品は、エンターテインメント性は、ほとんどないという感じの、くら~い作品ですが、


とりあえず、まぁ、これが現実、そして、


一介の、犠牲者の手によっては、できることは、ほとんど、ないに等しいのです。







最後に、『相棒』のラスト近くの、緊急記者会見のシーンに関してですが、


権力あるものが、自らの利益のために、たまたま、正義をおこなうこともある、


それに、頼るほかないのか・・・といった感じですが、


とりあえず、おこなわれた正義自体は、やはり、よしとしたい。



それが、その権力者の支持に直結してよいかは、また、別の問題として・・。